麺の「添加物」:かんすい、着色料の安全性

米・雑穀・惣菜・弁当・冷凍レトルト・調味料:麺の「添加物」:かんすい、着色料の安全性について

かんすいの安全性

かんすいとは

かんすいは、中華麺をはじめとする麺類に特有の弾力やコシ、そして独特の風味を与えるために使用されるアルカリ性食品添加物です。主成分は炭酸カリウムや炭酸ナトリウムといった「炭酸塩」ですが、これらが複合的に配合されたものや、リン酸塩などが加えられたものもあります。これらの成分は、小麦粉に含まれるタンパク質(グルテン)の結合を変化させ、麺に独特の食感をもたらします。

安全性に関する科学的見解

かんすいの安全性については、世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)や、各国の食品安全規制当局によって評価されており、一般的に「食品添加物として使用が認められている範囲内であれば、人体に有害な影響はない」とされています。これは、かんすいの主成分である炭酸塩類は、自然界にも存在する物質であり、食品への使用が長年にわたって行われてきた歴史があるためです。

JECFAでは、かんすいの主要成分である炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムについて、許容一日摂取量(ADI)を設定していませんが、これはこれらの物質が「特定用途の食品添加物」として、食品の製造工程において必要最小限の量が使用され、最終製品において健康への懸念を示すようなレベルまで残留することは考えにくいと評価されているためです。つまり、「必要以上に使用されることはなく、通常の食事で摂取する量であれば問題ない」という考え方に基づいています。

日本国内においても、厚生労働省が定める「食品衛生法」に基づく「食品添加物」のリストに、かんすいの成分が含まれており、使用基準が定められています。この基準は、国民の健康を守るために、使用できる食品の種類、最大使用量、そして原材料として使用できる物質の範囲などを厳密に規定しています。

例えば、中華麺に使用されるかんすいは、その主成分が炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムである場合に限り、「麺の重量の1.0%以下」という使用基準が設けられています。これは、麺の風味や食感を損なわずに、かつ安全性を確保するための量として科学的に検討された結果です。

ただし、「過剰摂取」という観点では注意が必要です。かんすいの主成分である炭酸塩類は、多量に摂取すると消化器系の不調(腹痛、下痢など)を引き起こす可能性があります。しかし、これはかんすいに限らず、どんな食品でも過剰に摂取すれば健康を害する可能性があるのと同じです。通常の食生活で、加工食品に含まれるかんすいを意識的に過剰摂取することは極めて稀であり、一般的には心配する必要はありません。

また、一部の消費者からは、かんすいがアレルギーを引き起こすのではないかという懸念も聞かれます。しかし、かんすいの主成分はアレルギーの原因となるタンパク質とは異なります。したがって、「かんすい自体が直接的なアレルギー反応を引き起こす可能性は低い」と考えられています。

近年では、より自然な素材を求める声の高まりから、かんすいを使用しない麺(例:生中華麺の一部、うどん、そばなど)も多く見られます。しかし、中華麺特有の食感や風味を再現するためには、かんすいは依然として重要な役割を果たしています。

着色料の安全性

着色料とは

着色料は、食品に色を付けるために使用される食品添加物です。食品の見た目を良くし、消費者の購買意欲を高めるだけでなく、内容物の識別に役立ったり、加工過程で失われた色を補ったりする目的でも使用されます。着色料には、天然由来のものと合成(化学合成)のものがあります。

安全性に関する科学的見解

着色料の安全性についても、かんすいと同様に、各国の規制当局によって厳しく評価され、使用が認可されたもののみが使用されています。安全性評価のプロセスは非常に厳格で、動物実験による毒性試験、発がん性試験、催奇形性試験など、多岐にわたる試験を経て、安全性が確認されたものだけが「使用可能な食品添加物」としてリストアップされます。

日本においては、「食品衛生法」に基づき、厚生労働大臣が定めた「既存添加物」「指定添加物」のリストに掲載されている着色料のみが使用可能です。それぞれの着色料には、使用できる食品の種類、最大使用量、そして原材料としての品質基準が細かく定められています。

例えば、麺類に使用される着色料としては、中華麺の色を鮮やかに見せるために「カラメル色素」や「クチナシ色素」などが使われることがあります。カラメル色素は、砂糖などを加熱して作るもので、天然由来の成分から生成されます。クチナシ色素は、クチナシという植物の果実から抽出される天然色素です。これらは、長年の食経験や科学的な安全性評価を経て、使用が認められています。

合成着色料についても、安全性については科学的な議論がありますが、日本で認可されている合成着色料は、国際的にも広く使用されており、定められた使用基準を守る限りにおいては、「安全である」とされています。

しかし、一部の合成着色料、特に「タール色素」と呼ばれるものについては、過去に一部の国で健康への影響が懸念された時期がありました。これらの懸念を受け、科学的知見の蓄積とともに、規制の見直しや使用制限が行われてきました。現在、日本で食品に使用が認められている合成着色料は、これらの懸念が払拭された、あるいは管理下での使用が安全と判断されたものです。

「アレルギー」との関連も、着色料に関してしばしば議論されます。特に天然色素の中には、原料となった植物や昆虫(例:コチニール色素)に由来するアレルギー反応を引き起こす可能性が指摘されるものもあります。しかし、これらのケースは特定の原料に限定され、また、アレルギー体質の人に限られることがほとんどです。製品によっては、アレルギー表示の対象となる場合もあります。

近年では、消費者の「無添加」志向の高まりから、天然由来の着色料の使用が増加傾向にあります。また、着色料を使用しない製品も多く販売されています。これは、企業が消費者のニーズに応えようとする動きであり、食の選択肢を広げています。

重要なのは、「表示の確認」です。食品には使用されている添加物が表示される義務があります。消費者は、これらの表示を確認することで、どのような添加物が使用されているかを把握し、自身の健康状態や食の好みに合わせて食品を選択することができます。

まとめ

麺類に使用される「かんすい」および「着色料」は、いずれも食品衛生法に基づき、その安全性について科学的な評価が行われ、使用基準が厳格に定められている食品添加物です。これらは、それぞれの食品の品質を向上させるために不可欠な役割を果たしており、「定められた使用基準の範囲内で使用される限り、人体に有害な影響はない」とされています。

かんすいの主成分である炭酸塩類は、自然界にも存在する物質であり、過剰摂取は避けるべきですが、通常の食生活で問題となるほどの摂取量になることは考えにくいです。着色料についても、天然・合成を問わず、安全性が確認されたものが使用されており、アレルギーなどの懸念がある場合は、表示によって消費者が選択できるよう配慮されています。

消費者は、食品表示を注意深く確認し、自身の健康状態や食の好みに合わせて、賢く食品を選択することが重要です。また、近年では、より自然な食品への関心が高まっており、無添加の製品や、天然由来の添加物を使用した製品も多く登場しています。これらの多様な選択肢の中から、自分に合ったものを選ぶことができます。