外食でご飯がまずいと感じる理由:お店の炊飯方法の秘密

外食でご飯がまずいと感じる理由:お米・雑穀・惣菜・弁当・冷凍レトルト・調味料:お店の炊飯方法の秘密

はじめに

外食で提供されるご飯が、自宅で炊いたものと比べて「なんだか美味しくない」「味が落ちる」と感じることは少なくありません。その原因は、単にお米の種類や炊き方だけではなく、お米・雑穀・惣菜・弁当・冷凍レトルト・調味料といった、ご飯を取り巻く様々な要因が複雑に絡み合っています。本稿では、外食でご飯がまずいと感じる理由を多角的に掘り下げ、お店の炊飯方法に隠された秘密にも迫ります。

お米の選択と保存方法の問題

お米の鮮度と品種

外食産業では、コストや供給の安定性を重視するあまり、鮮度の落ちたお米や、品種にこだわらないお米が使用されることがあります。お米は精米された瞬間から酸化が進み、風味や食感が劣化していきます。特に、業務用として大量に仕入れられたお米は、家庭用よりも保存期間が長くなる傾向があり、その間に風味が損なわれがちです。また、品種によって粘りや甘み、香りなどの特徴が大きく異なりますが、画一的な品種が使われている場合、本来のお米の美味しさを引き出せないことがあります。

家庭とは異なる保存環境

家庭では、お米を冷蔵庫や冷暗所に密閉容器に入れて保存することが一般的ですが、飲食店では、大規模な米びつで管理されることが多く、温度や湿度の管理が不十分な場合があります。特に夏場などは、米びつ内の温度が上昇しやすく、お米が酸化したり、虫がついたりするリスクが高まります。こうした劣化したお米で炊かれたご飯は、当然ながら美味しく感じられません。

炊飯方法の秘密と課題

大量炊飯の限界

外食産業では、一度に大量のご飯を炊く必要があります。そのため、家庭用の炊飯器とは異なり、大型の業務用炊飯釜が使用されます。しかし、この大量炊飯には炊きムラが生じやすいという課題があります。釜の底に近い部分と上部では火の当たり方が異なり、炊き加減にばらつきが出てしまうのです。結果として、一部は硬すぎたり、一部はベチャベチャになったりといった、均一でない食感のご飯になってしまうことがあります。

保温による劣化

炊きあがったご飯は、長時間保温されることが一般的です。業務用炊飯器の保温機能は、ご飯が乾燥しないように水分を保つものですが、同時にごはんのデンプン質が劣化し、パサつきや粘りの低下を招きます。保温時間が長くなればなるほど、ご飯の美味しさは失われていきます。お店によっては、炊きあがったご飯をバットに移して冷ますなどの工夫をしている場合もありますが、これもまた乾燥を招きやすいという側面があります。

洗米・浸水の不十分さ

美味しいご飯を炊くためには、丁寧な洗米と適切な浸水が不可欠です。しかし、時間や人件費を節約するため、洗米が不十分であったり、浸水時間が短すぎたりすることがあります。洗米が不十分だと、お米の表面のぬかが残ったまま炊きあがり、特有の匂いや苦味が出てしまうことがあります。また、浸水が不十分だと、お米の中心まで水分が行き渡らず、芯の残った硬いご飯になってしまうのです。

副次的な要因:惣菜、弁当、冷凍レトルト、調味料

惣菜・弁当のご飯

惣菜や弁当のご飯は、作り置きや温め直しが前提となるため、炊きたてのご飯とは全く異なる食感や風味になります。繰り返し温められることで、ご飯の水分が飛び、パサつきが顕著になります。また、冷めている状態で食べることを想定して、やや硬めに炊かれている場合もあり、それが温め直しの際にも影響します。

冷凍レトルトご飯

近年、外食産業でも冷凍レトルトご飯が利用されるケースが増えています。これは、品質の安定性や長期保存が可能であるというメリットがある反面、炊きたてのような風味や食感を再現するのは難しいのが現状です。冷凍・解凍の過程で、お米の細胞が破壊され、水分が抜けやすくなり、独特の食感になることがあります。

調味料の影響

ご飯そのものの味だけでなく、卓上の調味料がご飯の味を損なっている可能性も考えられます。例えば、醤油やソースなどがこぼれてご飯に染み込んでしまったり、劣化していたりすると、ご飯本来の味を邪魔してしまいます。また、業務用にブレンドされた調味料は、家庭用とは異なる風味が強く、それがご飯の味を覆い隠してしまうこともあります。

まとめ

外食でご飯がまずいと感じる理由は、単一の原因ではなく、お米の選択・保存、炊飯方法の課題、そして副次的な要因が複合的に影響しています。お店の規模やオペレーション、コスト削減の必要性から、家庭で手間暇かけて炊くような、理想的なご飯を提供することが難しいのが実情です。しかし、近年では、お米の品種にこだわり、炊飯方法を工夫し、出来立ての美味しさを追求する飲食店も増えています。そうしたお店を選ぶことで、外食でも美味しいご飯を味わうことができるでしょう。